一般治療症例

記載している手術の写真は、すべて当院の獣医師が実施した手術であり、他から引用・転載したものや他院の獣医師が実施した手術の写真は一切ありません。

 

肺腫瘍

肺にできる腫瘍です。乳腺腫瘍のような他臓器からの転移の場合は手術適応外ですが、健康診断などで偶然見つかった原発性肺腫瘍であれば手術による完治が期待できます。

赤〇;肺の腫瘍

肺胸膜を切離します

切除した肺腫瘍(腺癌)

切除した肺腫瘍(腺癌)

右中葉・後葉に認められる肺腫瘍

肺腫瘍の摘出後

切除した肺腫瘍(腺癌)

 

胃の腫瘍(噴門部)

犬では非常にまれに認められる病気です。
腫大した腫瘍による物理的圧迫・通過障害により、嘔吐、食欲低下などが認められます。
外科手術による胃の腫瘍の摘出が必要となります。

観音開き法

食道の可動性を出すために、肝臓の左間膜を処理します。

食道を横隔膜から分離し、尾側に牽引します。

食道を切断します。

胃の腫瘍を摘出後、胃を閉創します。

食道と胃を吻合します(観音開き法)。

切除した胃噴門部腫瘍(平滑筋肉腫)

 

肝臓腫瘍

肝臓が腫瘍化した病気です。
摘出によって完治する良性のものが多いですが、他の臓器に転移する悪性のものもあります。
腫瘍が自壊することで腹腔内出血が生じ、突然虚脱することがあります。
外科手術による肝臓腫瘍の摘出が必要となります。

内側左葉、外側左葉の腫瘍(左肝区域切除)

内側左葉の腫瘍

左肝区域のインフロー(肝動脈、門脈、肝管)の結紮

左肝区域のアウトフロー(左肝静脈)の処理
左肝区域切除後
切除した肝臓腫瘍(内側左葉)

内側左葉、外側左葉の腫瘍(自壊による腹腔内出血あり)

内側・外側左葉の腫瘍(切除後)

内側左葉(赤〇;自壊部。大量の腹腔内出血あり)

外側左葉(赤〇;結節性病変)

 

副腎腫瘍

ホルモンを分泌する臓器である副腎が腫瘍化した病気です。
良性のものもありますが、血管内に浸潤したり、他の臓器に転移する悪性のものもあります。
外科手術による副腎腫瘍の摘出が必要となります。

巨大な副腎腫瘍

血管の走行が多いので、電気メスで焼灼しながら切離します。

太い血管は血管クリップを使用します。

摘出した副腎腫瘍(腺癌)

 

前立腺腫瘍

オス特有の臓器である前立腺が腫瘍化したものです。
腫瘍化することで排尿障害を引き起こし、末期には脊椎や肝臓などに転移します。
治療は外科的摘出です。ただし、周囲の組織に浸潤するため、尿管や膀胱、尿道、場合によっては陰茎を含めた広範囲な摘出が必要になります。
尿管は腹壁を通して包皮内に移植します。

露出した膀胱・前立腺腫瘍

黄色〇;前立腺動脈(前立腺への栄養血管)

恥骨正中を切断して左右に開き、膀胱・前立腺・尿道を切除

尿管を包皮粘膜に開口

切除した膀胱・前立腺

 

腎臓の腫瘍

腎臓にできる腫瘍で、多くの場合が悪性腫瘍です。
転移しやすく、腫瘍が自壊して腹腔内出血を引き起こすことがあるため、片方の腎臓が機能している場合に外科手術を選択します。
腎臓腫瘍が自壊し、腹腔内出血が認められます。


切除した腎臓腫瘍

 

甲状腺腫瘍

気管の横に位置する甲状腺が腫瘍化したものです。犬、猫ともに認められます。
周囲の組織(食道、気管、筋肉など)への固着が認められない場合、外科手術によって甲状腺を摘出します。
浸潤が認められる場合、放射線治療を行い、それによって固着性が消失した後に外科手術を行います。
甲状腺腫瘍

白〇;反回喉頭神経

摘出した甲状腺腫瘍

 

膵臓の腫瘍

膵臓にできる腫瘍です。
膵臓は血糖値を下げるホルモンであるインスリンを産生する場所なので、腫瘍化するとインスリンが過剰分泌され、低血糖を引き起こします。
治療は外科的切除になります。

膵臓右葉の腫瘍(CT画像検査)

膵臓右葉の腫瘍

 

骨盤腔内腫瘍

骨盤腔内にできる腫瘍です。
腫瘍によって、直腸が圧迫されると重度の排便障害が生じます。
摘出可能な場合は骨盤をあけて腫瘍を摘出します。もし、摘出できない場合は、恥骨の一部を切除し、直腸の圧迫を解除します。

骨盤腔内の巨大な腫瘍によって直腸が圧迫され、重度の排便障害が生じています。

骨盤(恥骨)を正中で骨切りし、腫瘍にアプローチします。

平滑筋腫

 

直腸腫瘍(ポリープ、腺癌)

直腸にできるポリープ、腫瘍により排便時の痛み(しぶり)、血便、ゼリー状便、排便後の出血、便秘などを引き起こします。検査は内診、レントゲン検査(直腸造影)、内視鏡検査などです。治療は抗炎症・痛み止めの内服薬や外科手術(直腸粘膜プル・スルー術)などが選択されます。

黄色い矢印;直腸腫瘤(直腸造影)

直腸粘膜プルスルー

切除した直腸粘膜。粘膜上に腫瘤、炎症が認められます。

 

子宮の腫瘍

子宮にできる腫瘍です。
多くの場合が良性なので、健康診断の際に偶発的に見つかることがあります。
ただし、良性でも大きく腫大してしまった場合、周囲の膀胱や直腸を圧迫し、排尿・排便障害が認められることがあります。
治療は外科的切除になります。

膀胱と直腸の間に認められる子宮の腫瘍

腫瘍切除後(平滑筋腫)

 

脾臓の腫瘍

脾臓の脾臓は血液を貯蔵しているタンクのようなもので、そこが腫瘍化したものです。
脾臓にできる腫瘍は悪性度が高いものが多く、かつ、腫瘍が破裂するとお腹の中で大量出血を引き起こす可能性があるため、早期の外科手術が必要です。

一般治療症例腹腔内出血が認められます。

一般治療症例摘出した脾臓

 

皮膚の腫瘍(皮弁法)

皮膚にできる腫瘤の中には悪性のものもあるため、大きさや成長速度によって手術を選択することがあります。
その際、腫瘍が大きく、切除後に皮膚の縫合が困難な場合、周囲の皮膚を用いる皮弁法にて閉創します。

切除した領域が広く、かつ頭部の皮膚はよりにくいことなどから、皮弁法を用いて閉創しました。

 

乳び胸

胸腔内を走行している胸管が破綻することで、その中を通っている腸から吸収された脂肪が胸腔内に漏れ出ることで胸腔内に液体が貯留する疾患です。
胸腔内に液体が貯留することで呼吸障害(疲れやすい、呼吸ができなくなるなど)が生じます。
治療にはいくつかの手技を組み合わせた外科手術が必要となります。

結腸リンパ節から染色液(ICG)を注入

黄色〇;胸管、黄色;奇静脈

胸管を奇静脈ごと結紮

心膜切除

大網を胸腔内に固定

腸間膜リンパ節から染色液を注入

横隔膜を切開し、胸管を露出

胸管を血管クリップで閉鎖

心膜切除

乳び槽を切開

 

胆嚢粘液嚢腫

胆嚢内にゼリー状の物質が貯留する病気です。投薬などの内科治療で改善することはないため、一般的に外科手術による胆嚢摘出が必要です。肥満動物、高脂血症になりやすい犬種(ミニチュア・シュナウザー、シェットランド・シープドッグ、コッカー・スパニエルなど)は要注意です。
拡張した胆嚢

重度に拡張した総胆管

 大十二指腸乳頭を閉塞している胆石が認められます。

 カテーテルを用いて総胆管の開通性確認します。

切除した胆嚢の割面(胆嚢粘液嚢腫)  胆嚢内にゼリー状の物質が貯留

切除した胆嚢の割面

 

尿管結石

尿管に結石が詰まり、急性腎不全を引き起こします。輸液、利尿剤などの内科治療で改善しない場合、外科手術(尿管結石摘出、SUBシステム)が必要です。

尿管切開術(猫)


尿管を切開し、尿管結石を摘出します。
栄養カテーテル切開、ガイドワイヤーを用いて尿管の開通性を確認します。


右尿管から摘出した4個の尿管結石

尿管切開術(猫)

遠位尿管に複数個の尿管結石が認められます。

尿管切開後、結石を摘出し、非吸収糸(8-0)にて閉創

後大静脈後尿管(猫)


尿管(黄色矢印)が後大静脈(赤色矢印)の下を通過している場合もあります。

尿管切開術(犬)

尿管結石   拡張した腎臓

尿管を切開し、結石を摘出します。

尿管の開通性を確かめるために、カテーテルを膀胱まで通します。

尿管を縫合します。

摘出した尿管結石(7個)

SUBシステム(インプラントを用いて、人工的に尿管を作成)

 

尿道結石

尿道に結石が詰まり、排尿ができなくなります。
雄のわんちゃんで認められることが多く、早急に尿を排出させなければ、急性腎不全を引き起こし、死亡します。
ほとんどのケースでは、尿道からカテーテルを挿入し、高い水圧をかけて、膀胱に結石を戻し、膀胱切開をして結石を摘出します。ただし、慢性経過のわんちゃんの場合、尿道結石が尿道粘膜と強固に癒着していることがあり、尿道結石を膀胱に戻すことができません。その場合、陰茎を切開してから摘出します。
ただし、再発を繰り返すワンちゃんは、陰嚢尿道造瘻術を実施し、尿道結石をそこから排出できるようにします。

尿道切開術

 
尿道内に結石が認められます。右;拡大写真

尿道を切開して、尿道結石を摘出します。

陰嚢尿道造瘻術


包皮を切除し、陰茎後引筋を尿道から分離します。


尿道を開口し、包皮皮膚移行部に縫合。今後、膀胱結石が尿道に詰まることなく、体外に排出できるようになります。

 

鼻咽頭ポリープ

非腫瘍性の腫瘤であり、猫の耳管あるいは中耳に発生する稀な疾患です。
上気道閉塞性疾患の臨床徴候を示す若齢の猫で多く認められます。
ポリープの腫大によって耳管やその鼻咽頭の開口部が閉塞すると、中耳に陰圧がかかり漿液性中耳炎の原因となり、細菌感染を起こしている場合もあります。

全耳道切除術

鼓室胞から発生する鼻咽頭ポリープ

 

外耳道狭窄

アレルギー性外耳炎などで耳を掻くことで耳道内に炎症が生じます。この状態が長期間続くことで外耳道の壁が肥厚し、外耳道が狭窄が生じます。狭窄が生じると耳の奥で分泌物が貯留し、より強い痒みが生じます。治療は主にステロイドなどの薬物治療です。ただし、改善が認められない場合は外科手術が必要となります。

外側耳道切開術

 慢性外耳炎によって外耳道が肥厚し、耳道が閉塞しています。


外耳道の一部を切除することで耳の通気性がよくなり、耳の肥厚が消失しました(術後3ヵ月後)

 

全耳道切除術、鼓室胞切開術

重度の外耳炎によって肥厚・狭窄した耳道

顔面神経を保護し、周辺組織から耳道を分離します

蓄積した炎症物質を鼓室胞内から除去します

重度の慢性外耳炎。耳道は完全閉塞しています。

耳道をすべて切除します。

 

中耳炎

主に慢性化した外耳炎から鼓膜を通して中耳まで炎症や感染が波及することで生じます。抗生剤を用いた内科療で治療を行いますが、内科療法だけでは改善しない場合は外科治療(鼓室胞を切開後、洗浄・ドレナージ設置)を選択します。

鼓室胞切開術(腹側アプローチ)

炎症を引き起こした鼓膜(硬性鏡写真)

鼓室胞切開術

 

猫の尿道閉塞

雄猫に多い病気です。膀胱、尿道の炎症による細胞塊や結晶によって形成されたものが尿道に詰まると、排尿できなくなります。このような状態に陥った場合、早急に閉塞部位を解除しなければ、数日以内に亡くなります。
症状は排尿困難(トイレに入るが、なにも出ていない。出た尿が少ない)、元気消失、食欲不振、嘔吐などです。
治療は尿道カテーテルを用いての閉塞部位の解除、食餌療法(結晶を溶解するエサの給餌)、投薬治療です。
しかし、尿道閉塞を解除できない場合や尿道閉塞を頻繁に繰り返す場合は、会陰尿道造瘻術などの外科手術が必要となります。

会陰尿道造瘻術

陰茎の露出します。

切除した陰茎と包皮を縫合します。

 

唾液腺粘液嚢腫

唾液腺もしくは導管の傷害により、唾液が漏出し、周囲組織内へ貯留した状態です。
内科治療で治癒することは非常に稀なため、罹患した腺と導管を完全に切除する外科治療で必要となります。

  咽頭部の唾液腺粘液嚢腫

下顎腺を切除します。

単口舌下腺と多口舌下腺を切除します。

唾液腺粘液嚢腫に造窓術を実施し、貯留した粘液を口腔内に排出します。

 

慢性副鼻腔炎

猫ちゃんにおいて、ウイルスや細菌、真菌によって引き起こされます。くしゃみ、大量の膿性鼻汁などが認められますが、通常は自己の免疫の働きや内科療法によって治癒します。しかし、免疫力が弱い動物では完全に治癒せず、症状が長期間続き、さらには粘膜の潰瘍や鼻甲介(鼻の骨)が融解します。
多くの場合、抗生剤を用いた内科療法で改善しますが、内科療法で改善しない重篤な場合は、外科治療(前頭洞にアプローチし、壊死した組織を除去したり、菌塊を洗い流す)が必要となります。


前頭洞にアプローチし、副鼻腔内を洗浄します。


ドレーンを設置し、術後も洗浄を続けます。

 

胃捻転拡張症候群

大量の水・エサの早食い、食後まもない運動などによって胃が拡張し、さらに胃が捻じれる病気です。胃が捻じれることで腹腔j内臓器の血行障害が生じ、胃・脾臓の壊死を引き起こしたり、循環障害によるショックを引き起こしたりします。それによって、発症して数時間で動物を死に至らしめるケースもあります。
症状は、吐こうとするのに何も吐けない、腹部がパンパンに膨らむ(お腹を叩くと高い太鼓音が聞こえる)、大量のヨダレ、落ち着かないなどです。治療は、早急に胃のガスを除去し、胃・脾臓の捻じれを整復し、再発予防のために胃を腹壁に固定する手術(ベルトループ法、胃腹壁固定術)が必要です。この疾患は死亡率が非常に高い病気なので、上記の症状が認められた際には、すぐお近くの病院で診察を受けられてください。

ベルトループ法

拡張した胃が認められます。

拡張・捻転による胃の血行障害がよって、暗赤色になっています。

胃を正常な位置に整復することで、胃がピンク色に戻りました。

再発を防ぐために、胃壁を腹壁に固定します。

 

腸重積

腸管が連続する腸管に入り込むことによって腸閉塞を引き起こす疾患です。原因は不明ですが、若い動物で多いと言われています。好発部位は回盲部です。症状は食欲低下、嘔吐、下痢などが認められ、外科治療による早期の腸管整復が必要です。


腸管の中に腸管が認められます。

回腸が盲腸に入り込んでいます(回盲部の腸重積)。

 

鼠径ヘルニア

鼠径部(後肢の付け根部分)から、膀胱や小腸などの腹腔内臓器が皮下に飛び出す病気です。生まれつきヘルニアを持っているケースもありますが、事故で発症するケースもあります。治療として外科的にヘルニアを閉じます。一般的には縫合糸でヘルニアを縫合して閉じますが、長期経過でヘルニアが大きくなり過ぎて、閉じることができない場合は、メッシュを用いて閉じます。ヘルニアに膀胱が捻じれて排尿できない場合、死に至りますので、緊急手術が必要となります。

ヘルニアから突出した膀胱

ヘルニア輪から突出した膀胱

ヘルニア輪の一部

ヘルニア輪の縫合

 

巨大食道症

何らかの原因(例;特発性)によって食道が広がってしまい、口から入った水やエサが胃に送れずに、それらを吐いてしまう病気です。食べても吐いてしまうのでどんどん痩せて衰弱していきますし、吐いた物が気管に入ると誤嚥性肺炎を引き起こします。
治療は原因疾患が判明している場合はその治療が必要ですが、原因不明のケースも多く、そのような場合、食後30分ほど立位の状態にして口から入ったものを吐かせにくくします。ただし、中型犬や大型犬では立位の状態にすることは非常に困難ですので、胃瘻チューブを設置することがあります。


拡張した食道が認められます(造影レントゲン写真)。

胃瘻チューブ設置中

胃瘻チューブ設置後

 

会陰ヘルニア

肛門周囲の筋肉(外肛門括約筋、肛門挙筋、尾骨筋)が裂けることで大きな穴ができてしまい、その穴に腸や膀胱が飛び出す病気です。老齢の男の子、特に去勢をしていない子やお腹に力を入れて力強く吠える子に好発します。症状は腸や膀胱が飛び出て捻じれてしまうことでおしっこや便が出しづらくなり、排泄時に苦しそうに鳴くようになってしまいます。治療として外科的に開いてしまっている穴を縫合して閉じます。再発が多い病気なので、ケースによって内閉鎖筋転移術、総鞘膜・半腱様筋を用いたフラップ法の中から選択します。

一般治療症例
ヘルニア輪から小腸、膀胱などが突出して、会陰部がせり出しています。
  一般治療症例
会陰部を切開すると、ヘルニア輪から突出した小腸(左)、前立腺(右)が認められます。
一般治療症例
精管、直腸固定
一般治療症例
内閉鎖筋転移術
 一般治療症例
総鞘膜を用いたフラップ法
一般治療症例
半腱様筋を用いたフラップ法

 

横隔膜ヘルニア

交通事故により横隔膜(胸部と腹部を分け隔ていている膜)が破け、腹部臓器の胃腸や肝臓が胸腔内に押し出された状態です。これらの臓器により肺や心臓が圧迫されると、呼吸困難や心臓の拍動の妨げを引き起こします。治療は手術による破けた横隔膜の縫合です。

一般治療症例 胸腔内に腸管や肝臓が認められます
一般治療症例正常胸部
一般治療症例
術後

 

子宮蓄膿症

大腸菌などの細菌が外陰部から侵入することによって、子宮内に膿が溜まる病気です。発情後に好発し、食欲不振、多飲・多尿、嘔吐、外陰部からの排膿などが認められます。急性では1週間で重篤となるので、子宮蓄膿症と診断された場合、早期手術(卵巣・子宮摘出術)が必要です。

一般治療症例
陰部からの排膿

一般治療症例
拡張した子宮 (正常の子宮の太さは術者の親指くらいです)

一般治療症例
子宮内貯留物

 

子宮水腫

子宮に液体が貯留する病気です。初期の段階では臨床症状が認められないので、避妊手術の際に偶然認められることが多いですが、液体の貯留量が増え、膨らんだ子宮が周囲臓器を圧迫し出すと食欲低下や頻尿などが認められます。治療は卵巣・子宮摘出術が選択されます。

一般治療症例
拡張した子宮が認められます。

一般治療症例
拡張した子宮

子宮破裂

妊娠中の外からの強い衝撃や難産などから生じます。元気消失、腹部の痛み、食欲低下が認められます。腹膜炎や子宮からの出血が生じた場合、ショックを起こすことがあります。治療は帝王切開もしくは卵巣・子宮摘出術が選択されます。

一般治療症例
腹腔内に破裂した子宮の内容物が貯留しています。
一般治療症例
破裂した子宮から胎子が認められます。

胃・腹壁穿孔異物

先の尖がった異物(焼き鳥の串、爪楊枝など)を丸呑みすることで生じます。胃を突き破ることも珍しいですが、上記のケースのようにお腹も突き破ることもあります。治療は早急の異物摘出です。
一般治療症例
お腹を突き破って出てきた焼き鳥の串が認められます。

一般治療症例
黄色矢印;焼き鳥の串

一般治療症例
黄色矢印;胃の中に留まっている焼き鳥の串の端

一般治療症例
摘出した焼き鳥の串(約15cm)

 

食道内異物

骨型の歯磨きガム、スーパーボールなどの大きいものが食道に詰まったり、釣り針、魚・鶏の骨などの尖がっているものが食道に突き刺さることで生じます。症状は大量のよだれ、嘔吐、口を開けた状態での苦しそうな呼吸などです。治療は内視鏡による除去ですが、あまりにも大きくて除去できない場合は、開胸下での食道切開・異物除去が必要となります。
一般治療症例
黄色矢印;食道内異物、赤色矢頭;拡張した胃
一般治療症例
食道内異物(骨型の歯磨きガム)

 

腸管内異物

胃、腸などで消化されない異物(スーパーボール、野菜の芯、串、アクセサリー、紐など)を食べることで生じます。犬は何でも口に入れるため頻発します。一方、猫はあまり異物を口に入れることはありませんが、紐状のおもちゃで遊んでいるときに誤食してしまい、生じることがあります。紐状異物はそれ自体を軸に小腸を縮ませるため、容易に腸穿孔を引き起こします。治療は内視鏡や開腹手術による異物摘出です。異物が胃内にとどまっている場合は内視鏡で摘出可能ですが、小腸に移動し、閉塞をおこしている場合は開腹手術が選択されます。

靴下(犬)

一般治療症例ソーセージ様の小腸

一般治療症例暗赤色に変色した小腸

一般治療症例
摘出した異物(靴下)

 

球状の異物(犬)

一般治療症例球状の異物

一般治療症例球状の異物が認められます。

ひも状異物(猫)

 小腸を縮めている紐状異物

一般治療症例約80cmの紐状異物

 

腸管腫瘍

一般治療症例回盲腸部腫瘍(GIST)

 

咽頭部異物

一般治療症例咽頭部に針は認められます。

一般治療症例黄色矢印;喉頭部に刺さった針

一般治療症例摘出した針(約5cm)と糸

 

膀胱結石

膀胱内に結石ができてしまう病気です。原因は食餌、感染症、内分泌疾患などがあげられます。治療方法として、まずは食餌療法を実施します。それでも治らない場合は手術での摘出になります。特に男の子の場合は、結石が尿道閉塞を引き起こし、死亡してしまうことがあるため、早期手術が必要となります。

一般治療症例 膀胱内の巨大な結石

一般治療症例摘出した膀胱結石 (直径約3cm)

膀胱内の結石

 

精巣腫瘍・腹腔内陰睾(潜在精巣)

男性ホルモンを分泌する臓器である精巣(睾丸)が大きくなって、腫瘍(ガン)になったものです。症状として、雌性化(お乳が膨らむ、雄が寄ってくるなど)、多臓器への転移などが認められます。治療としては腫瘍化した精巣の摘出(去勢手術)があります。この病気の予防のために、若いうちに去勢手術をしておきましょう。

一般治療症例赤丸:腫大した精巣(睾丸)

一般治療症例赤丸:鼠径部(股のところ)の腫大した精巣、 黄丸:正常な大きさの精巣

一般治療症例雌性化(お乳の膨らみ)

一般治療症例

一般治療症例摘出した精巣腫瘍(腹腔内陰睾)

 

鎖肛

生まれつき肛門がない、もしくは低形成のため、排便ができない状態です。
排便できないことは生死に繋がるため、早期の外科手術(肛門再建術)が必要となります。

肛門を再建する予定部の皮膚を切除し、結腸を皮膚に縫合します。
縫合した部位が落ち着くまでの数日間、シリンジを挿入しておきます。

 

イノシシによる損傷

イノシシの牙で体を突かれると、胸部や腹部に穴が開きます。胸部に穴が開くと肺が拡張できずに呼吸困難を引き起こし、腹部に穴が開くと腹腔内臓器の損傷や腸の腹腔外への突出などを引き起こします。
緊急手術による創傷部の洗浄・縫合・胸腔ドレーン設置が必要です。

一般治療症例胸部に穿孔部が認められます。

一般治療症例ドレーンを設置しました。