軟部外科症例

CASE

会陰ヘルニア

肛門周囲の筋肉(外肛門括約筋、肛門挙筋、尾骨筋)が裂けることで大きな穴ができてしまい、その穴に腸や膀胱が飛び出す病気です。老齢の男の子、特に去勢をしていない子やお腹に力を入れて力強く吠える子に好発します。症状は腸や膀胱が飛び出て捻じれてしまうことでおしっこや便が出しづらくなり、排泄時に苦しそうに鳴くようになってしまいます。治療として外科的に開いてしまっている穴を縫合して閉じます。再発が多い病気なので、ケースによって内閉鎖筋転移術、総鞘膜・半腱様筋を用いたフラップ法の中から選択します。

ヘルニア輪から小腸、膀胱などが突出して、会陰部がせり出しています。
会陰部を切開すると、ヘルニア輪から突出した小腸(左)、前立腺(右)が認められます。
精管、直腸固定
内閉鎖筋転移術
総鞘膜を用いたフラップ法
半腱様筋を用いたフラップ法