循環器科症例

僧帽弁閉鎖不全症

 

◎超音波画像(右側長軸像)
左心房内への逆流が認められます

 

 

 

 

 

◎超音波画像(左側長軸像)
僧帽弁逆流速度; 5.0m/sec

 

 

 

 

心臓は外から血液が戻ってくると、まず、心臓の中の部屋のひとつである心房に入ってきます。その後、心室に移動し、心臓の外に出て行きます。この心房と心室を隔てているものが「弁」です。これは心室から心房に戻ってこれない構造をしています。

僧帽弁閉鎖不全症とはこの弁の機能が失われ、心室に移動した血液が再度心房に戻ってくる病気です。そうなると、心房は外から戻ってきた血液と心室から再度戻ってきた血液とで心房はパンパンに膨れ上がり、さまざま症状(綿がのどに詰まっているかのような空咳、散歩を嫌がるなど)を引き起こします。

好発犬種はマルチーズ、ポメラニアン、シーズーなどの小型犬です。これらの犬種は年をとるにつれて発症する可能性が高くなりますので、6歳以上のわんちゃんでは要注意です。
治療法は生活改善、病気の進行を遅らせる薬剤の投与、外科手術などがあります。ただし、いずれの方法を選択するにしても最も重要なのは「早期発見」です。ワクチン接種やフィラリアのお薬を取りに来院した際には、必ず「聴診」を受けるようにしましょう。

 

フィラリア症

 

◎超音波画像(右側短軸像)
黄色矢印;二本の平行な線が心臓の中にいるフィラリア成虫です。

 

 

 

 

 

◎術中写真

頚静脈を露出し、ここから鉗子を心臓の中まで入れて、フィラリア成虫を摘出します。

 

 

 

 

 

◎フィラリア成虫

摘出したフィラリア成虫。1回の手術で摘出するフィラリア成虫の数は約30~50隻です。

 

 

 

 

フィラリア症は、心臓と肺動脈の中に15~30cm程の細長い親虫(フィラリア)が寄生することによって引き起こされる病気です。寄生すると、疲れやすくなる、咳がでる、お腹に腹水が溜まるなどの呼吸器・循環器障害が生じます。最悪、死に至ることもあります。
治療はフィラリアの仔虫を駆除する内科的療法とフィラリア成虫を摘出する外科的療法があります。

 

大動脈血栓塞栓症

 

後ろ足への血流が遮断されているので、爪の血管を切っても出血が認められません。

 

 

 

 

 

◎術中写真

大腿動脈に血管バルーンカテーテルを挿入し、血栓を除去します。

 

 

 

 

除去された血栓の一部

 

 

 

 

 

心臓や血管で作られた血栓(血の塊)が大動脈に詰まることで生じます。
この血栓によって後ろ足に流れる血液が遮断されるので、後ろ足の肉球が冷たくなったり、爪からの出血が認められなくなったり、後ろ足の麻痺などが認められます。
症状は突然の両後肢麻痺、後肢の強い痛み、口をあけて苦しそうな呼吸などが認められます。
治療は外科的療法(血管バルーンカテーテルによる血栓除去)、内科療法(血栓溶解剤、抗凝固剤、ACE阻害薬、Caチャンネルブロッカー)などです。
予後は非常に悪いため、発症した場合、早急な治療が必要となります。

 

肺高血圧症

 

◎超音波画像(右側短軸像)
三尖弁逆流速度;4.8m/sec(収縮期肺動脈圧;約102mmHg)

 

 

 

 

 

◎超音波画像(右側短軸像)
  肺動脈弁逆流速度; 3.7m/sec(平均肺動脈圧;約65mmHg)

 

 

 

 

心臓は外から血液が戻ってくると、まず、心臓の中の部屋のひとつである心房に入ってきます。その後、心室に移動し、心臓の外に出て行きます。この心房と心室を隔てているものが「弁」です。これは心室から心房に戻ってこれない構造をしています。

僧帽弁閉鎖不全症とはこの弁の機能が失われ、心室に移動した血液が再度心房に戻ってくる病気です。そうなると、心房は外から戻ってきた血液と心室から再度戻ってきた血液とで心房はパンパンに膨れ上がり、さまざま症状(綿がのどに詰まっているかのような空咳、散歩を嫌がるなど)を引き起こします。

好発犬種はマルチーズ、ポメラニアン、シーズーなどの小型犬です。これらの犬種は年をとるにつれて発症する可能性が高くなりますので、6歳以上のわんちゃんでは要注意です。
治療法は生活改善、病気の進行を遅らせる薬剤の投与、外科手術などがあります。ただし、いずれの方法を選択するにしても最も重要なのは「早期発見」です。ワクチン接種やフィラリアのお薬を取りに来院した際には、必ず「聴診」を受けるようにしましょう。