循環器科症例

CASE

大動脈血栓塞栓症

後ろ足への血流が遮断されているので、爪の血管を切っても出血が認められません。
◎術中写真
大腿動脈に血管バルーンカテーテルを挿入し、血栓を除去します。
除去された血栓の一部

心臓や血管で作られた血栓(血の塊)が大動脈に詰まることで生じます。
この血栓によって後ろ足に流れる血液が遮断されるので、後ろ足の肉球が冷たくなったり、爪からの出血が認められなくなったり、後ろ足の麻痺などが認められます。
症状は突然の両後肢麻痺、後肢の強い痛み、口をあけて苦しそうな呼吸などが認められます。
治療は外科的療法(血管バルーンカテーテルによる血栓除去)、内科療法(血栓溶解剤、抗凝固剤、ACE阻害薬、Caチャンネルブロッカー)などです。
予後は非常に悪いため、発症した場合、早急な治療が必要となります。